大阪の話題とかそんなん

安全は私たちの最大の使命である。キーワードは「安全サイド」

台風19号 全線予告運休に批判も JR西「安全代えられぬ」 - 産経WEST

まあ、何といいますか、新聞社もこういうニュースを書かなきゃいけないんでしょうね。記事の穴埋めか、とりあえず記事になるから書いとけってスタンスなんでしょうか。
はてなブックマークでは散々なコメントが書かれておりますが、私もそのとおりだと思います。


そもそも鉄道っつーもんは、1年365日、朝から晩まで、雨の日も風の日も、盆正月関係なく動いているのが当たり前。つまり、空気や水みたいなもんだと思っています。私も交通事業現業職やってたからわかります。それが信頼につながっていくんですわ。

しかしですね、こと台風とか定時運行できない場合なんかは話が違ってくるんですよ。事故につながるから。
基本は、何かあれば選択肢は安全サイドに向けるのが基本。どの鉄道会社でも「安全運行5訓」みたいなものがあって、その1番目に「安全は私たちの最大の使命である」みたいな標語があるんですわ。(旧運輸省が、鉄道会社各社にそういうものを定めろ。こういう文言を入れろ。みたいな指導があったらしい)

戦前の、「時計より正確なダイヤ」とか言われていた時代は、遅れは恥。などと思われている節があって、無理な運行が大事故につながった経験が多数あったんですね。戦後の高度経済成長期の三河島事故とか鶴見事故の大惨事がそれにあたりますか。最近では信楽高原鉄道の正面衝突事故。これは、信号が「赤」を表示しなきゃいけないのに「青」現示を出しちゃっていたという、システムトラブルの一種だったけど、安全サイドに向いていなかったから起きた事故だと思います。


私鉄が動いているのになぜJRは?とかは完全なお門違い。JRに関しては中距離列車の運転が結構あるわけで、私鉄のように、都市間だけなら危険場所もある程度特定されてるから、そこだけを監視すりゃいい。しかし、広範囲にわたって運転するJRは、警戒場所があまりにも多すぎる。風や雨量の規制は厳しく見なきゃいかんのですよ。餘部鉄橋事故を忘れたとは言いませんぞ。

で、規制値を超えると運転見合わせですよね。そうなるとダイヤが乱れるわけですよ。よく冬に湖西線が風や雪の影響で止まるでしょ。そうすると、全く関係ない姫路あたりの運行がズタボロになるとかあるじゃん。そうなると福知山線片町線もつられてる。特急が遅れたら、環状線に乗って阪和線関西本線だって遅れる(最近はつられて遅れる事って少なくなった気がしますが)。そうなると乗っている客も対応する駅員も迷惑やし。

川島冷蔵庫さんも酷いよね。

 ただ、鉄道アナリストの川島令三氏は、被害の最小化と早期復旧を目指した今回の運休に理解を示しつつも「台風の威力が収まっているのに、ちょっとしたことで運休を繰り返せば信用を失う。『オオカミ少年』のようになりかねない」と危惧する。夕方以降の一律運休が平日に行われれば、通勤・通学客への影響は計り知れないからだ。

これは、台風通過後に、速やかに列車を動かしなさいよ。とおっしゃっているのでしょうか。本当に鉄道アナリストなのか?

鉄道が止まって運行再開をするときに、軌道や信号などの設備の点検が必要。これは必ずやらなきゃならない(はず)。バスだって、道路に不備がないか確認後に再開するっていうのが基本。全ては安全サイドに動かさなきゃいけない。広範囲に運行が止まっているのなら、試運転列車も多数必要になるし、運行再開にかかる時間も相当。


今回は、事前に(1日以上前に)告知をしているわけだし、その中で出歩いてた人は自業自得やと思いますがね。ただ、旅行に行って、ちょうど台風のさなかに帰ってくるという人もいましたが、これに関してては、もう運が悪いよね。インフラ会社に勤務とか、そういう人もいると思いますけど、やはり自分のやっている仕事がそういうものだからってあきらめるほかないでしょう。私もそうでしたし。(大晦日の泊まり勤務とか、元旦の勤務ははっきり言って嫌でした。道路は空いていたから走りやすかったですけど。)


すんげー長々と書きましたけど、まあ、そういうことで。
産経新聞さん。こういうときの論調はJRえらいって感じにしておいた方が無難だと思いますよ。