大阪の話題とかそんなん

関西の銀行まとめ

先週に書いたエントリで「関西の家電量販店のまとめ http://namihyanote.hatenadiary.jp/entry/2013/08/24/010523 」が久々に好調なアクセス数があったので、それを踏まえて、今回はリクエストのあった関西の銀行の変遷をまとめてみました。
今回もかなーり見にくい画像になってしまいましたが、お手やわらかにお願いしますね。

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画像が見にくい場合はこちら>はてなフォトライフ
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http://f.hatena.ne.jp/hanazukinokita/20130901224247





関西は、昔から銀行の競争がし烈なエリアな訳です。
というのも、そもそも地方銀行の数が他の地方都市と比べても異様に多い上に、その下位の金融機関である信用金庫や各種信用組合はさらに多くひしめき合うという、完全に飽和状態を超えているようなエリアなんですよね。金融機関は大変だと思いますが、こういう状況が大阪の中小企業を支えて来たんだと思います。
しかし、残念なことにバブルの後の金融不況で、大手都市銀行ですら経営が危ぶまれる状態となってしまい、関西の銀行・金融機関は軒並み経営統合されてしまう状態となってしまいました。

ざっと見ていると、都市銀行の大阪御三家である、住友・三和・大和。かろうじてりそなだけは大阪に本店を置いている状況ですが、これも東京に本店を移転とか言う話が浮かんでは消えしていますね。ここは踏ん張って頂きたいところでありますが。

三和(UFJ)は東京三菱と経営統合される時に、会社としては消滅しました。(存続会社が東京三菱となったため)
住友が非常に珍しく、わかしお銀行という東京の第二地方銀行に合併させられて消滅しちゃいました。わかしお銀行の前身である「太平洋銀行」という乱脈経営をしていた銀行があって、その受皿会社としてさくら銀行が金融当局から作らされた(太陽神戸銀行が太平洋銀行とつながりが深かったためのようです)この会社が存続会社なんですよね。当時のニュースでも、第二地方銀行が大手銀行を飲み込んだという記事が掲載されておりました。銅の製錬で江戸時代に創業した伝統ある住友も、「歴史と伝統なんかどうでもいい。名前さえ残ればいいんだよ。」ということなんでしょう。そこまで00年代の金融危機は切羽詰まっていた。そこまでしなければ生き残れなかったという状況に、改めて事の重大さが感じられますね。
この件は、1996年に破綻>受皿会社に経営譲渡の最初の案件になったんじゃないでしょうか。(平和相銀>住友銀行という例もありますが)まだ当時は大手行には余裕もあり、金融当局も護送船団方式を取り続けていたため、さくら銀行が尻拭いしたんでしょう。この件があって、他の銀行が不良債権に喘いでいる中、いち早く健全な経営が出来ていたようで、わかしお銀行の含み益に目を付け、これを利用するという奥の手を使ったんだと思います。

さて、大和銀行です。都市銀行では最後まで不良債権に喘いでいたようで、本当に複雑に思惑が交錯しています。
ここでも色々とドラマはあるようですが、あまり面白い話がないようなのでパス。りそなは間もなく公的資金も返済できるようで、お疲れさまでしたと言っておきましょうか。


地方銀行は、第二地方銀行がほぼ壊滅状態であります。特に、なにわ銀行・福徳銀行・京都共栄銀行の3行に関しては、5年のうちに3回名前が変わるというめまぐるしい変化があり、

なにわ・福徳→なみはや→大和→りそな(大部分は大和に引き取られずに近畿大阪に引継されています)
京都共栄→幸福→関西さわやか→関西アーバン

こりゃ私らでもわからんのだから、おじーちゃんおばーちゃんは絶対に分からんだろうなーと思いますわ。さらに、この不良債権処理のために新しい受け皿銀行を作ったもんだから、馴染みのない名前に変わるのも要因でしょうね。「関西さわやか銀行」とか、(私がこの時期に大阪にいなかったのも問題ですが)「あー、そういやそんな銀行もあったよねー」みたいに、完全に記憶の彼方から抹消されている名前がありますからね。「なみはや銀行」と「関西さわやか銀行」は、僅か3年の短い生涯だったということも忘れてしまう一因ではないでしょうか。「なみはや銀行(どこかで聞いたようなネーミングだw)」は、なにわ銀行と福徳銀行を一気に救済させるという荒治療に出たものの(特定合併という措置だそうです。詳しくは知らん)、手続き上の不備がたたって1年で債務超過>破綻状態になり、3年も持たなかったという悲劇の銀行、、、、、もうこれは金融監督官庁も、「もうどうにでもなーれー」みたいな投げやりの運営をしていたとか、どこかで裏取引があったとか、もうそんな陰謀があるんじゃねーの?って疑ってしまうほどのズタボロなやり方ですな。そこまで金融危機が酷かったという証明でもあるのでしょうか。

こういう大恐慌時代を乗り越えた銀行は池田銀行泉州銀行。バブルに手を染めず、堅実な地域リテールバンクを目指した勝ち組ですね。不良再建が一掃されて各行に体力がついた今、勝ち組同士が手を組むという、東京三菱銀行みたいなやり方でこの先を狙っているようです。

もうひとつが大正銀行。ここはご多分に漏れず経営が大変だったようですが、あまりにも規模が小さすぎるためどの銀行にも相手にされず、結局単独で生き残るという奇跡を演じた銀行です。
なんだろー、大型恐竜が絶滅したのに小さな恐竜が生き残るみたいな感覚でしょうか、何が原因で残るのか消えていくのか、人生をも考えさせられる話でもあります。

いかがでしたでしょうか。関西の銀行の変遷はかなり複雑怪奇な再編劇を演じており、本当に調べてみると大変でしたね。(その中でも、あの表を作るのがいちばん大変だったというのは内緒ですw)さらに、信用金庫も関西は腐るほどあり、調べたにもかかわらず、もうあの表を作るのが面倒だったので、もうお蔵入りさせようかと思っております ( ´△`)シンドイネン

実はですね、こういう銀行の変遷を調べるデータベースというのがWebサービスとして存在しております。
銀行図書館 http://koueki.net/bank/Search.html というサイトであります。
これで検索すると、過去の前身行から合併した銀行など、流れがわかるすんばらしいサービスであります。気になる自分のメインバンクの過去をさかのぼってみると面白いかもですね。








っつーかですね。こんな検索が出来るのならこんな表作らなくてもよかったんだよ、、、、、ほぼ調べ終わって確認する段階でぐぐったらここにぶちあたったんです。ぐーぐる先生も、こんないいサービスはちゃんと上位に持って来ておいて下さいよ、、、、、全く。(´・ω・`)=з